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「コータリンは要介護5」で紹介されました

院長は、2011年9月にくも膜下出血で倒れられた
人気コラムニスト、神足裕司さんの自宅でのリハビリに携わっています。

神足さんは、朝日新聞に 2016年4月から連載された「コータリンは要介護5」のコラムを執筆されました。その内容は加筆され、「コータリンは要介護5-車椅子の上から見た 631日-」(朝日新聞出版)として2018年に書籍化されています。
巻末の特別収録③「コータリン、リハビリをする」には、インタビューされた院長が神足さんに施術したリハビリの様子が詳しく紹介されています。(以下、インタビューの一部抜粋)

リハビリの現場でありがちなのは、
僕たちが患者さんを〝病人”にしてしまうことです。

牧野さんはもともと神足さんの妻・明子さんの父のリハビリ担当として神足家に来ていた。要介護4で寝たきりだった父は、牧野さんのリハビリ後に歩けるようになり、いまでは友人たちと食事に出かけるまでに回復した。
「リハビリの現場でありがちなのは、僕たちが患者さんを〝病人”にしてしまうことです。僕たちが勝手に神足さんの限界をきめてしまうと、回復のステップもそこでおしまいになってしまう。僕はそれをしたくないんです。だから僕のリハビリはけっこうスパルタです(笑)。神足さんが『痛い』と嫌がることもあります。たしかにリハビリもマッサージも相手が痛がらないように、安全にやるほうが万が一の事故もありません。でも、なでるようなマッサージをしてもよくはならないと僕は考えています。」

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関節可動域訓練の様子(写真右)
固くなった筋肉を緩め、関節をゆっくり動かしていく

つい相手の動きを補佐しようと手を出してしまいがちですが、
ゆっくりでも相手の動作を待つことが、本人のトレーニングになるんです。

リハビリは週3回、30分間行われる。まずは鍼灸治療をして、足をマッサージ。ただもみほぐすだけでなく、途中で「はい、ここまで手を持ち上げて」「足を動かして」など、自発的な動きを促していく。
「在宅でのリハビリは時間が限られていることもあって、つい相手の動きを補佐しようと手を出してしまいがちですが、ゆっくりでも相手の動作を待つことが、本人のトレーニングになるんです。」
牧野さんは麻痺している左下肢だけでなく、左上肢や右半身を含め、全体の筋力をつけるリハビリも積極的に行う。ベッドに半身を起こした神足さんにやわらかいボールを放り、キャッチボールが始まった。神足さんは左手だけでしっかりボールをキャッチし、放り返すこともできるようになっている。(中略)

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施術中は常に神足さんに語りかける牧野さん。なんだか楽しそうだ

リハビリとは身体の機能に関することだけでなく、精神的な楽しさや喜びも含めておこなうものなのかもしれない

神足さんは倒れて以来、記憶にも不自由さを抱えている。(中略)「大切なことや心に響いたこと、自発的にやりたくてやったことなどは覚えている。でも、楽しくなかったことは覚えていないようなんです。(中略)神足さんがおもしろがって、積極的にやれることはなんだろう?リハビリとは身体の機能に関することだけでなく、精神的な楽しさや喜びも含めておこなうものなのかもしれない、と」
牧野さんはいま、ご家族やケアマネージャーと連携し、プールでのリハビリを考えている。今後もリハビリ担当として、さまざまな可能性を探っていくつもりだ。
「神足さんはもともと水球の選手ですし、本人に聞いたら『泳ぎたい』と言う。記憶に残らないような時間を過ごすよりも、神足さんの好きなものに時間をあてていったほうが、よい結果につながると思います。神足さんには、できることがあったらどんどんトライしてもらいたいんです。もし無理だったら、やめればいいだけですしね。もっともっと、限界を破ってほしいですから。」